令和8年(2026年)1月1日、石綿障害予防規則(以下、石綿則)の改正が行われます。
石綿使用についての事前調査が必須になるケースがさらに拡大されるため、
解体業だけでなく、改築・リノベーション・補修工事などを請け負うリフォーム工事業、工務店などでも対策が必要になる可能性があります。
過去の改正ポイント等については厚生労働省の石綿ポータルサイト(https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/point/)もご覧ください。
■ 対象となる工作物とは/
■ 事前調査は誰がするの?
■ 事前調査者の情報の保管も義務に
■ 対象となる工作物とは
石綿等の使用されている可能性が高いものと定められた工作物は、具体的には下記のとおりです。
(工作物石綿事前調査者 https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/investigator-structures/より引用)
① 反応槽
② 加熱炉
③ ボイラー及び圧力容器
④ 配管設備(建築物に設ける給水設備、排水設備、換気設備、暖房設備、冷房設備、排煙設備等の建築設備を除く。)
⑤ 焼却設備
⑥ 貯蔵設備(穀物を貯蔵するための設備を除く。)
⑦ 発電設備(太陽光発電設備及び風力発電設備を除く。)
⑧ 変電設備
⑨ 配電設備
⑩ 送電設備(ケーブルを含む。)
⑪ 煙突(建築物に設ける排煙設備等の建築設備を除く。)
⑫ トンネルの天井板
⑬ プラットホームの上家
⑭ 遮音壁
⑮ 軽量盛土保護パネル
⑯ 鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板
⑰ 観光用エレベーターの昇降路の囲い(建築物であるものを除く。)
上記(①~⑰)以外の工作物
(※)塗料その他の石綿等が使用されているおそれがある材料の除去等の作業に限る。
■ 事前調査は誰がするの?
対象物にアスベストが含まれているかの事前調査は誰でも行えるものではなく、事前調査ができる要件(資格など)を満たした調査者のみが行えます。
上記工作物のうち、①~⑩は「工作物石綿事前調査者」、
⑪~は「工作物石綿事前調査者」「一般建築物石令和5年9月までに日本アスベスト調査診断協会に登録された者綿含有建材調査者」「特定建築物石綿含有建材調査者」のいずれか、もしくは令和5年9月までに日本アスベスト調査診断協会に登録された登録者のみが行えます。
■ 事前調査者の情報の保管も義務に
さらに、今回の改正では事前調査を行う調査者の「氏名の記録」、事前調査ができる要件を満たしていることが証明できる「書類の写し」を事前調査終了日から3年間保存する事も義務付けられます。
「工作物石綿事前調査者」の資格があれば上記工作物全般の事前調査が可能ですが、資格を取得するには、講習(講義・筆記試験)を受講し、修了する必要があります。
また、アスベスト除去作業の際にはアスベスト対応の掃除機が必要になりますが、対応機種がごく限られているため、石綿則の改正前後には、改正によって急にアスベスト対応の掃除機が必要になった方の駆け込み需要で注文が殺到し、品薄になる傾向があります。
資格取得、掃除機の準備、いずれも揃っていないと工事が行えず、作業が止まってしまいます。
スケジュールに余裕をもった対応をおすすめいたします。